2022年11月15日から2023年12月31日まで、カナダに滞在し、学生ビザにキャンパス外での就労許可がある留学生は、授業を受講中の期間もキャンパス外で週20時間を超える就労が許可されることになりました。
この政策は、10月7日時点で既に学生ビザの申請書を提出している人にも適用され、ビザが承認された場合、この政策の対象となります。
ショーン・フレーザー移民大臣は、この政策はカナダ全土で起こっている労働力不足を緩和することが目的であると述べています。現在、カナダは歴史的な労働力不足と、歴史的に見てもかなりの低い失業率に悩まされています。カナダ統計局によると、失業率は8月の5.4%から9月には5.2％とさらに減少したと発表しました。
現在のルールでは、対象のカレッジ・大学・大学院のプログラムを受講する学生は、授業を受講中の期間は週20時間までキャンパス外で働くことが許可されています。この制限は、夏休みや冬休みの休暇中には解除され、キャンパス外であっても制限なく働くことができます。この制限は、留学生が経済的に自立できるようにする一方、カナダで働くことのみに集中するのではなく、学業に集中できるようにすることを目的としています。しかし、今回カナダ全土での求人数が100万件近くに達し、カナダ政府は当面の間この規則を緩和することに至りました。フレイザー氏は、この措置により、すでにカナダにいる50万人以上の留学生がこの政策の恩恵を受けるだろうと指摘しています。
カナダは、世界有数の留学生受入国です。2021年には62万人以上の留学生を受け入れ、この数字は過去20年間で3倍になりました。カナダは昨年だけでも約45万件の学生ビザを新たに発行しています。カナダへの留学需要は、教育機関の質の高さ、多文化主義、カナダドルの手頃な価格、カナダが提供する就労や永住の機会など、さまざまな要因から依然として強いものがあります。また、フレイザー氏はこの発表で、カナダが2022年1月から8月の間にすでに45万2000件以上の学生ビザを処理し、2021年の同期間に処理した36万7000件と比較して23％増加していることを指摘しました。
カナダ国際教育局（CBIE）の調査によると、留学生の大半は、留学終了後に永住者としてカナダに留まることに関心があると報告しています。また、カナダ統計局の調査によると、永住権を取得した留学生は、カナダでの就労・就学経験や英語・フランス語の能力などの要因により、カナダの労働市場に速やかに溶け込む傾向があることが分かっています。このため、カナダ移民局（IRCC）は、留学生がカナダで働き、カナダに留まることを支援する目的で、さまざまな施策を提供しています。
カナダは近年、特にパンデミック時以降、新規移民の候補として留学生にますます注目するようになっています。例えば、移民局は、2021年に40万5千人以上の新規移民を受け入れるという目標を達成し、カナダの1年間の新規移民者の記録を更新するために留学生に大きく依存しました。移民局は、Canadian Experience Classでの申請者を大量に永住権申請へ招待し、新規移民することでこれを実現しました。また、2021年には期限付きのTR2PR（Temporary Residence to Permanent Residence）プログラムを導入し、約9万人の一時居住者の移民申請を可能にしました。
また、フレーザー氏はジャスティン・トルドー首相から、留学生や外国人労働者がエクスプレス・エントリーで永住権を取得するための追加の政策を出すよう委任されています。さらに、フレーザー氏は9月に、より多くの一時滞在者の永住権取得を支援するための政府戦略を発表しました。この戦略には、申請処理時間を改善するための移民システムの近代化など、5つの柱が含まれています。カナダ政府が11月1日までに「Immigration Levels Plan 2023-2025」で今後のカナダ政府のニューカマー戦略について発表する予定となっています。
Source: CIC NEWS
