Federal Skilled Trades Programはエクスプレスエントリーの1つのプログラムで、2013年にカナダ国内のトレード職種の人手不足を解消するために始まりました。これは、カナダの出生率の低さと相まって、カナダ国内のトレード職種のスキルを持つ人員が不足していることを意味し、この人員不足を埋めるためには移民が不可欠であることを表しています。
Federal Skilled Trade Program(FSTP)とは?
FSTPは、トレード職種に定められた技術職・専門職の経験を持つ人がカナダの永住権を取得できるプログラムです。申請条件は他のエクスプレスエントリープログラムとは異なり、限定されたカナダ職種リスト(NOC)、かつスキルレベルBに限られています。また、学歴や語学力も異なります。
FSTPでの申請条件
- 申請前5年以内に最低2年間の技術職・専門職の実務経験がある
- 英語またはフランス語のテストでSpeaking, Writingが5以上、Reading, Writingが4以上のCLBの保有
- 自己資産が規定以上ある(必要な場合)
職歴について
下記のNOC職種において申請前5年以内に最低2年間のフルタイムの職務経験・または同等時間数のパートタイム経験を証明することが必須です
Major Group 72: Industrial, electrical and construction trades (工業・電気・建設業)
Major Group 73: maintenance and equipment operation (保守管理・設置作業)
Major Group 82: supervisors and technical jobs in natural (天然資源・農業・関連業務の管理および技術職)
Major Group 92: processing, manufacturing and utilities (加工や製造業務の管理業務)
Minor Group 632: chefs and cooks (シェフ)
Minor Group 633: butchers and bakers (肉・魚加工業・パン職人)
語学力
英語またはフランス語のテストにおいて最低下記のスキルがあること
Listening, Speaking CLB5 Reading, Writing CLB4以上
自己資産
移民後の生活費として自分自身と家族を養うための最低約6か月の資金を証明できること
もし既にカナダで雇用されている、もしくはカナダの雇用主からジョブオファーがある場合は必要ありません
州・準州の基準について
カナダでのトレード職種は州や準州政府によって規制されています。FSTPの申請者の中には、その職種で働くにあたり何らかの経験やトレーニングが必要になる場合もあります。このプロセスも各州や準州で異なります。
学歴
このプログラムで必要な最低学歴は定められていません。しかし、ECA(Educational Credential Assessment)を取得するか、カナダでの高等教育以上を修了したことを証明することで、CRSのスコアを上げることができ、Invitation To Apply(ITA)を取得できる可能性が高くなります。
次のステップ
FSTPの申請資格条件をクリアしたら、オンラインでエクスプレスエントリーのプロフィールを作成します。プロフィールを提出すると、移民局からCRSが提示されます。このスコアは、年齢・職歴・語学力・学歴などさまざまな要素に基づいて決まります。このスコアは、エクスプレスエントリーの他の申請者と比較されランク付けがされます。
政府が定期的に行うドローイングで決められたスコアよりも高いスコアを獲得した人には、永住権申請のための招待状Invitation To Apply(ITA)が送られます。このITAを受け取ったら、60日以内に永住権申請を完了し、その後約6か月で移民局が書類を審査した後、最終決定されます。
まとめ
エクスプレスエントリーFSTP申請者のITA発行は、パンデミックの影響により2021年12月以降一時停止していましたが、今年の7月上旬から再開する予定が発表されています。移民局は、永住権申請の未処理案件を解消し、新規永住権申請者の審査処理期間を通常の6か月に戻すことも発表しています。カナダの2022-2024年移民計画によると、エクスプレスレントリーは再びカナダが経済移民を受け入れる主要なプログラムとなる、2024年までに、エクスプレスエントリーを通して11万人以上の移民を迎え入れる計画をしています。