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不完全を理由に返戻された移民申請へ異議申立て可能とする画期的判決

判決の概要

連邦裁判所は、書類不備を理由に返戻された移民申請について、申請者がその返戻自体に異議を申し立てて争うことができると判断しました。現在のカナダの制度では、申請が不完全として返戻されると、実質的に最悪の結果になりやすい事情があり、この判断は重要な意義があるとされます。

事件の背景

事件番号IMM-23491-24(Devgon v Canada)では、プリート・カマル・デブゴン氏が親をカナダの永住者としてスポンサーする申請を進めていました。追加資料の提出要請に応じた後、担当官は添付された履歴書に1年の空白期間があることを理由に、申請を不完全として返戻しました。担当官は「空白のない履歴書」を求めていました。

申請者はその後、移民・難民・市民権省(IRCC)に再考を求め、空白のない履歴書を添えて提出しましたが、IRCCは「不完全と判断された申請は処理対象外になる」として再考を拒否しました。IRCCの運用では、申請が不完全で返戻されると、そもそも申請が受理されなかったものとして扱われます。

このケースでは、親・祖父母スポンサーシップ(PGP)が抽選制であるため、返戻により今後再び招待を受けられる保証がなく、結果として親の永住申請の道が事実上閉ざされる状況でした。

裁判所の判断

担当判事バティスタ氏は、入管の受理枠が大臣指示で管理される現行制度では、不完全返戻が実質的に最終的かつ取り消し不能の結論になり得ると指摘しました。そのうえで、返戻という判断は裁判所の審査対象になり得る「司法審査可能」なものだと認め、担当官の返戻決定は不合理であると結論づけました。

裁判所は不完全返戻の決定を取り消し、別の担当官による処理のためIRCCへ差し戻すよう命じました。

IRCCの主張と退けられた理由

IRCCは、返戻は連邦裁判所法の定める「審査対象となる事項」に当たらず、申請者の権利にも直接影響しないため「司法審査不可能」だと主張しました。これに対し裁判所は、移民・難民保護法に基づく招待の付与によって、申請者には家族スポンサーによる永住申請を提出する権利が生じており、返戻はその権利を不利益に侵害したと判断しました。

さらに、こうした返戻を審査対象外とすることは、「統制のない行政行為」を許すことになり、法の支配に反すると指摘しました。行政の不合理を見過ごすよう裁判所に求めるもので、司法審査の基本的責務を放棄することになると強調しました。

完全性判断の誤り

この事件で担当官は、履歴書に時間的な空白があることを根拠に不完全返戻としました。しかし、PGPのスポンサー申請における「完全な申請」の要件には、空白のない履歴書という条件は記載されていませんでした。

また、手続的公平性レター(PFL)で空白のない履歴書を求めた事実があっても、PFLは「完全な申請」の法的定義を作るための手段ではないため、完全性の判断基準にはなり得ないと裁判所は述べました。結果として、担当官は完全性要件の理解を誤り、不合理な返戻を行ったと判断されました。

実務上のポイント

裁判所は、申請者がPFLに対して空白のない履歴書を提出しなかったため、担当官は「要請への不遵守」を理由に不許可とすること自体は可能だったと付言しました。

一方で、時間的空白が問題となり得るのは「スケジュールA(身上申告書)」の部分であり、チェックリストはここについては空白がないことを求めています。履歴書については同様の要件が明記されていないため、履歴書の空白のみを根拠に不完全返戻とするのは不適切だったという位置づけでした。

参考サイト

連邦裁判所判決(CanLII)
https://canlii.ca/t/kh5bw

親・祖父母スポンサーシップ(PGP)
https://www.canadavisa.com/parent-and-grandparent-sponsorship.html

カナダ永住の資格診断
https://canadavisaplus.com/assessment?utm_source=cicnews.com&utm_medium=article&utm_campaign=2026-01-16_in-landmark-ruling-court-upholds-ability-to-challenge-return-of-immigration-applications-for-incompleteness_67289

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