申告が必要な範囲
カナダ市民権(ナチュラリゼーション)を申請する場合、渡航歴と各国での在留ステータスを、生まれてから現在までの全期間で申告します。成人後だけや直近5年・10年だけでは足りません。数時間だけの滞在や乗り継ぎ(トランジット)も含めてすべて記載します。
渡航ごとに「入国日」と「出国日(または滞在終了日)」を入れます。数時間の乗り継ぎで同日入出国の場合は、同じ日付を入れる形になります。
在留ステータスは、留学や就労のような長期の許可だけでなく、旅行や乗り継ぎ中の「ビジター(観光・短期)」も申告対象です。ドロップダウンに当てはまらない場合は「その他」を選び、具体的な内容を入力できます。
紙申請は申請書CIT 002の質問13、オンライン申請は該当箇所で入力します。
不備がある場合の影響
渡航歴や在留ステータスの記載が不完全・不正確だと、審査の遅延や追加確認が発生するおそれがあります。抜けや重複をなくし、時系列で整理してから提出することが大切です。
完全な渡航歴を作る方法
現在と過去のパスポートを確認します
有効・失効を問わず全パスポートの入出国スタンプを見直します。出国スタンプがない国もあるため、スタンプは「参考資料」として使い、他の記録と組み合わせて確認します。
eTAの確認メールを探します
ビザ免除国のパスポートで渡航している場合は、各国の電子渡航認証(eTA)の承認メールを検索します。「eTA」「承認」「国名」などでメールボックスを探すと、訪問時期の手がかりになります。どの送信元メールか分からないときは、その国の政府サイトで案内されている送信元を確認します。
航空券の予約記録・旅程を見直します
航空会社の予約確認メールや旅程表には、出発日・到着日の正確な時刻が載っています。乗り継ぎ地も表示されるため、短時間の滞在の見落とし防止に役立ちます。よく使う航空会社の会員アカウントに過去の搭乗履歴が残っている場合もあります。
ホテル予約サイトやAirbnbなどの宿泊アカウントも、到着日・宿泊日数の確認に使えます。
SNSや写真のタイムスタンプを確認します
Facebook、Instagram、Xなどの投稿日時や位置情報、スマホやクラウドにある写真の撮影日時を手がかりにします。忘れていた短期旅行や日帰りの滞在を思い出すのに有効です。
クレジットカード・銀行明細を照合します
外貨両替、交通、宿泊などの支払い記録は、渡航の開始・終了時期の目安になります。大きめの決済や海外での利用明細を時系列で確認し、旅程とつき合わせます。
入力時のポイント
・生まれてからの全渡航を国・地域ごとに時系列でリスト化します。
・各滞在について「開始日」「終了日」「当時のステータス(例:ビジター、学生、就労、その他)」を入れます。
・乗り継ぎや数時間の滞在も必ず含めます。
・不明な日付は、手がかりをもとに最も確からしい日を特定し、資料で裏取りします。
参考サイト
カナダ市民権(解説ページ)
https://www.canadavisa.com/canadian-citizenship-immigration-and-settlement-in-canada.html
カナダ移民レベル計画
https://www.canadavisa.com/canada-immigration-levels-plans.html
カナダの就学許可(学生ビザ)
https://www.canadavisa.com/canadian-temporary-study-visa.html
カナダの就労許可
https://www.canadavisa.com/working-in-canada.html
ビジタービザ(訪問者)
https://www.canadavisa.com/canadian-temporary-resident-visa-visitor.html
CIC News
What travel history do I have to disclose in my Canadian citizenship application?(英語)