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年末年始のカナダ入国:軽微な違反でも拒否される仕組みと対策

カナダの入国可否を決める考え方

海外での違反や犯罪歴は、たとえ軽い内容に見えても、カナダの法律に当てはめたときの重さで評価されます。海外で犯罪とされた行為で、発生当時のカナダ法に同等の罪がある場合に入国不可の対象になります。起訴や有罪判決がある場合だけでなく、捜査中や係争中でも入国不可になることがあります

カナダでは、違反行為は「犯罪性(criminality)」と「重大犯罪性(serious criminality)」に分けて扱います。移民法上は、ハイブリッド罪(状況により軽罪/重罪になり得る罪)は常に重罪(起訴手続の対象)として扱われます

犯罪性(criminality)

  • 世界のどこかで、カナダで起訴対象となるレベルの罪に当たる犯罪で有罪になった場合、またはカナダで軽罪に当たる別々の犯罪で2回有罪になった場合は入国不可になります
  • 海外で違法な行為をし、それがカナダ法でも起訴対象の罪に当たる場合も入国不可になります

重大犯罪性(serious criminality)

  • カナダ国内で懲役10年超の可能性がある罪で有罪になった、または懲役6か月超の判決を受けた場合
  • 海外での有罪や行為が、カナダで懲役10年超の可能性がある罪に当たる場合

軽罪(サマリー)に近いものは米国の軽犯罪に、起訴対象の罪は米国の重罪におおむね近い位置づけです

入国不可になり得る軽めの違反例

非重大の範囲でも、次のいずれかで入国不可になることがあります。単発の軽い違反だけでは通常は入国不可になりませんが、以下に該当すると拒否の可能性が高まります

  • 非重大の範囲で重めの違反が1件
  • 軽い違反が2件
  • ハイブリッド罪が1件

例として次のようなものがあります

  • 5,000ドル未満の窃盗・詐欺(クレジットカード不正、万引き、横領など)
  • 軽度の器物損壊(mischief under $5,000)(車への傷つけ、落書き、窓や設備の破損など)
  • 夜間の住居周辺でのうろつき(trespassing at night)(21時~翌6時、正当な理由なく人の住居の近くで徘徊)
  • わいせつな行為(公の場での裸や性行為、自身への性的行為など、他人の前でのわいせつ行為)
  • 出廷不履行(出頭通知や召喚があるのに、正当な理由なく指定の日時に出廷しない)
  • 騒乱行為(公共の場でのけんか、汚い言葉での叫び、酩酊による騒ぎなどで周囲の迷惑を引き起こす)
  • 動物虐待(不必要な苦しみや傷を与える、闘犬などの助長や金銭の受け取りなど)
  • 脅し(threats)(殺傷の脅し、財物の破壊の脅し、ペットを傷つける脅し)
  • 同意なく車両を使用(所有者の同意なく車や船を運転・使用・乗船する、またはそれを知って同乗する)

飲酒運転(DUI)の扱い

2018年12月18日の法改正で、DUIは重大犯罪に引き上げられました。改正前のDUI(加重事情なし)はサマリー扱いになり得ますが、改正後のDUIは起訴対象(重大)として扱われ、入国拒否につながる可能性が高いです。評価は行為時点のカナダ法基準で行われます

渡航前に確認しておくこと

国境でのトラブルを避けるには、違反行為が発生した時点のカナダ法に照らした等価の罪を確認することが重要です。自国の刑法とカナダ刑法を突き合わせて調べる方法が有効です。多くの人は、等価性の評価や入国不可を乗り越える手段の検討のために、移民弁護士に依頼します

入国不可を乗り越える3つの方法

  • 一時滞在許可(TRP)の取得
  • 個人リハビリ(criminal rehabilitation)の申請
  • みなしリハビリ(deemed rehabilitation)の適用可否の確認

みなしリハビリ

申請手続はなく、刑のすべて(服役、保護観察、罰金など)が終わってから十分な時間が経つと自動的に適用されます。サマリー扱いの違反のみが対象で、次の条件を満たす必要があります

  • サマリーの場合は刑の完了から5年以上経過していること
  • 起訴対象の罪がある場合は、刑の完了から10年以上経過していること
  • 記録上、サマリー違反のみであること
  • 非重大の範囲(non-serious criminality)であること

みなしリハビリが成立している違反は、入国可否に影響しません。出発前に在外公館で評価を受けておくと安全です

一時滞在許可(TRP)

一時的な入国の必要性が、公共の安全に対するリスクを上回ると判断された場合に発給されます。家族の結婚式や葬儀、重要な商用などが例です。審査官の裁量が大きく、必要性が弱いと判断されると入国できません。TRPは有効期限後に出国する必要があります。申請料は246.25カナダドルです

米国市民と米国永住者のみ、陸・海・空の入国地点でTRPを申請できます。入国地点以外でのTRP申請は、平均で3~6か月かかります。個人リハビリは審査完了まで1年以上かかることがあります

参考サイト

Cohen Immigration Law Firm(無料相談)
https://www.canadavisa.com/immigration-inadmissibility.html?utm_source=cicnews.com&utm_medium=article&utm_campaign=2025-12-24_heading-to-canada-for-the-holidays-these-minor-offences-can-get-you-turned-away-at-the-border_63955

Inadmissibility(入国不可の基礎)
https://www.canadavisa.com/immigration-inadmissibility.html

等価性(海外の罪とカナダ法の対応)
https://www.canadavisa.com/immigration-inadmissibility.html#equivalency

重大犯罪性の解説
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-serious-criminality.html

カナダでの有罪に関する説明
https://www.canadavisa.com/crimes-performed-in-canada.html

米国の軽犯罪と入国https://www.canadavisa.com/entering-canada-with-a-misdemeanor.html

米国の重罪と入国
https://www.canadavisa.com/entering-canada-with-a-felony.html

DUI(飲酒運転)の扱い
https://www.canadavisa.com/entering-canada-with-a-dui-conviction.html

入国拒否について
https://www.canadavisa.com/denied-entry-to-canada.html

移民弁護士の案内
https://www.canadavisa.com/cohen-immigration-law.html

犯罪歴とカナダ訪問
https://www.canadavisa.com/visiting-canada-with-a-criminal-record.html

一時滞在許可(TRP)とは
https://www.canadavisa.com/what-is-a-temporary-resident-permit.html

個人リハビリの申請
https://www.canadavisa.com/immigration-criminality-rehabilitation.html

みなしリハビリの要件
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-deemed-rehabilitation.html

TRPの詳細
https://www.canadavisa.com/canadian-temporary-resident-permit.html

処理期間の目安
https://www.canadavisa.com/canada-immigration-processing-times.html

IRCC(移民局)の情報
https://www.canadavisa.com/ircc.html

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