カナダで二重国籍が認められる考え方
カナダの法律は二重国籍や多重国籍を全面的に認めています。カナダ市民になるときに、もともとの国籍を放棄する必要はありません。ただし、二重国籍は関係する両方の国の法律に従うため、出身国側の規定で国籍の維持や手続きが制限される場合があります。カナダ市民権を帰化や血統で得る場合、元の国籍を保てるかは出身国の法律に左右されます。
二重国籍を認める主要10か国(2025年の新カナダ市民の主な出身国)
1. フィリピン
カナダとの二重国籍を認めますが、対象はフィリピン生まれの国民に限られます。フィリピン生まれの人がカナダ市民になっても、宣誓手続きを行えばフィリピン国籍を保てます。少なくとも片方の親がフィリピン人で、海外で生まれた子は出生時から自動的に二重国籍となり、在外公館への出生届が必要です。
2. ナイジェリア
二重国籍を条件付きで認めます。出生や血統でナイジェリア国籍を得た人は、カナダ市民になっても元の国籍を維持できます。一方、帰化でナイジェリア国籍を得た人は、カナダ市民になる場合に元の国籍を放棄する必要があります。二重国籍者は出入国時にナイジェリア旅券の使用が求められます。
3. アメリカ合衆国
出生、帰化、または米国籍の親からの取得のいずれのケースでも、カナダ市民になっても米国籍を手放す必要はありません。出入国は米国旅券で行う必要があり、カナダ旅券では入出国できません。
4. フランス
1973年から二重国籍を認めており、放棄を求める条件や制限はありません。複数国籍の保有も可能です。
5. パキスタン
最近の法改正により、対象国で市民権を取得した場合でも、パキスタン国籍を維持できる枠組みが整いました。以下の22か国で市民権を得てもパキスタン国籍を保持できます。カナダは対象に含まれるため、帰化や血統による取得(条件を満たす場合)でもパキスタン国籍を保てます。
- カナダ
- イギリス
- フランス
- イタリア
- ベルギー
- アイスランド
- オーストラリア
- ニュージーランド
- フィンランド
- エジプト
- ヨルダン
- シリア
- スイス
- オランダ
- アメリカ合衆国
- スウェーデン
- アイルランド
- バーレーン
- デンマーク
- ドイツ
- ノルウェー
- ルクセンブルク
6. ブラジル
制限や条件なく二重国籍を認めています。ブラジル政府は、複数国籍の保有によりブラジルの領事保護の範囲が狭まる可能性があると注意喚起しています。
7. イギリス(英国)
カナダとの二重国籍を認めます。カナダ市民になっても英国籍の放棄は不要です。英国への渡航には有効な英国(またはアイルランド)旅券が必要で、二重国籍者は相手国(自分が国籍を持つもう一方の国)にいる間、英国政府の外交的支援を受けられない場合があります。
8. ドイツ
2024年6月27日以降、他国(カナダを含む)との二重国籍を認めています。以前は原則として他国籍を取得するとドイツ国籍を失いましたが、出生時の二重国籍、EUまたはスイスでの帰化、事前の保持許可の取得、親がドイツ国籍(血統)といった例外がありました。
9. シリア
二重国籍を認めており、放棄は不要です。法務や行政、外交の扱いでは、二重国籍者でもまずシリア国民として取り扱われます。
10. メキシコ
1998年から二重・多重国籍を明確に認めています。複数国籍の保有に関する制限は現時点でありません。
インド国籍の人の二重国籍の扱い
2025年に新カナダ市民の出身国として最多だったインドは、二重国籍を認めていません。インド国籍の人がカナダ市民になるには、インド国籍の放棄が必要です。ただし、海外市民権(OCI)の指定を受けられる場合があり、これは生涯有効のビザとして特定の優遇を受けられます。
カナダ市民になる3つの道
出生による取得:カナダ国内で生まれた子は、親の在留資格に関係なく自動的にカナダ市民になります。外交官や国際機関職員などの子には一部例外があります。
帰化:永住者は、直近5年のうち通算1,095日(3年)以上カナダに実在住していれば申請できます。
- 必要に応じて所得税申告を行うこと
- 重大な犯罪歴がないこと
- 今後もカナダに住む意思があること
- 18~54歳は市民権テストに合格すること(歴史、価値、権利と義務を出題)
- 英語またはフランス語の能力がCLB4以上であること
- 最後に市民権宣誓式に参加すること
血統による取得:2025年12月15日に施行された法改正(C-3)により、出生日の区分で取り扱いが変わりました。
・2025年12月15日より前に海外で生まれた人:第一世代の上限が撤廃され、カナダ生まれまたは帰化した先祖にさかのぼれる限り、世代を超えて市民権が引き継がれます。
・2025年12月15日以降に海外で生まれた子:第一世代を超えて市民権が引き継がれる場合、海外生まれのカナダ人親は、出産前に少なくとも通算1,095日(3年)のカナダ実在住がある「十分なつながり」を証明する必要があります。
参考サイト
カナダ市民権・移住・定住(総合案内)
https://www.canadavisa.com/canadian-citizenship-immigration-and-settlement-in-canada.html
二重国籍の基礎知識
https://www.canadavisa.com/dual-citizenship.html
カナダ市民権の主な要件
https://www.canadavisa.com/canadian-citizenship-eligibility.html
ナイジェリアからカナダへ移住(参考)
https://www.canadavisa.com/immigrate-to-canada-from-nigeria.html
米国からカナダへ移動(参考)
https://www.canadavisa.com/moving-to-canada-from-the-u-s.html
旅券に関する基礎情報
https://www.canadavisa.com/passport.html
パキスタンからカナダへ移住(参考)
https://www.canadavisa.com/immigrate-to-canada-from-pakistan.html
市民権テストの準備方法
https://www.cicnews.com/2024/12/how-to-prepare-for-your-canadian-citizenship-test-1249206.html
血統による市民権の可否チェック
https://www.canadavisa.com/citizenship-by-descent.html
CIC News
Citizens of these 10 countries can hold dual citizenship with Canada(英語)