ノバスコシア州、永住選考をEOI方式に全面移行し優先分野を明示

背景と変更点

ノバスコシア州は11月28日、州ノミニー制度であるNSPNPの受け付けをEOI方式に切り替えると発表しました。過去に提出したものも含め、州の移民プログラムへのすべての提出物はEOIとして扱われます。ケースIDの有無や要件を満たす完全な申請の提出だけでは、処理に進むことは保証されません。大西洋移民プログラム（AIP）の推薦も同じ扱いになります。

EOIとは何か

EOIは、応募者や雇用主の情報をプールに集め、州が優先度に合わせて定期的に選出し、選ばれたものだけを審査に進める方式です。以前のように提出直後に審査して可否を決めるのではなく、まずプールに入り、州の方針に合わせて選抜されてから審査されます。連邦のエクスプレス・エントリーの選考に似た動き方です。

選考の優先分野

州は労働市場と経済の需要に合う分野を優先します。現時点で想定される分野は次のとおりです。

• 医療・ヘルスケア
• 建設
• 技能職（トレード）
• STEM分野
• 資源関連
• 製造

優先分野は状況に合わせて変わる予定です。

NSPNPとAIPの新しい流れ

NSPNPの応募者とAIPの雇用主は、これまでどおり完全な申請一式を提出します。ただし提出物はEOIとしてプールに入り、州が定期的にドローを行い、処理に進めるEOIを選びます。選考は次の要素に左右されます。

• 現在の州の優先課題
• ノミネーションや推薦の残り枠数
• プールの規模
• プログラムの健全性維持の必要性

選ばれた応募者や雇用主には、処理に進む旨の通知が州から届きます。これは当時点の州の優先度に合っているという合図ですが、承認が確定するわけではありません。選ばれなかったEOIはプールに残り、連絡がない場合は状況に変化がないと考えられます。

なぜ今変更したのか

州は、ノバスコシア州へ移住を希望する人の数が、連邦政府から与えられた年間配分枠の範囲で承認できる数を大きく上回っていると説明しています。IRCCからのノミネーション配分の制約が強まる中、複数の州が今年EOI方式を導入しました。ノバスコシア州も、限られた配分枠を労働市場や人口構成の課題により直接結びつけるため、同様の動きに合わせています。

配分枠の動き

2025年時点では選抜の厳しさが続きますが、2026年の州系移民の受け入れ目標が大幅に引き上げられる計画が公表されており、NSPNPの見通しがやや改善する可能性があります。実際に2025年のノバスコシア州のノミネーション配分は年初の3,150枠から、10月時点で3,709枠へ増えたと報じられています。

参考サイト

Atlantic Immigration Program（AIP）
https://www.canadavisa.com/atlantic-immigration-program.html

NSPNP（ノバスコシア州ノミニー）
https://www.canadavisa.com/nova-scotia-provincial-nominee-program.html

エクスプレス・エントリーの概要
https://www.canadavisa.com/express-entry.html

IRCC（カナダ移民・難民・市民権省）
https://www.canadavisa.com/ircc.html

各州がEOI方式へ移行する動き（CIC News）
https://www.cicnews.com/2025/04/provinces-are-changing-how-they-select-nominees-for-canadian-permanent-residency-what-you-need-to-know-0453736.html

2026年の州系移民目標の増加（CIC News）
https://www.cicnews.com/2025/11/canada-to-increase-provincial-immigration-by-66-in-2026-1161733.html

カナダ移民レベル計画
https://www.canadavisa.com/canada-immigration-levels-plans.html

PNP強化ストリームの適格性チェック（外部ツール）
https://canadavisaplus.com/assessment?utm_source=cicnews.com&utm_medium=article&utm_campaign=2025-12-01_nova-scotia-overhauls-selection-process-for-permanent-residents_62581