3月は詐欺防止月間です
カナダでは毎年3月を詐欺防止月間と位置づけ、移民関連の詐欺による被害と、制度の信頼性への悪影響に焦点を当てた取組が強化されます。移住、留学、就労、ワーホリなどの申請手続に関する虚偽の案内や不正な仲介により、金銭的損失だけでなく、将来の入国やビザ審査に不利益が生じるおそれがあります。被害を避けるための確認手順を徹底することが重要です。
よくある移民関連の詐欺手口
- 「必ずビザを取れる」「特別なコネがある」といった保証や、異常に短い審査期間の約束を提示します。
- 正規登録のない仲介者が、高額の前払い手数料や現金支払いのみを要求します。
- 偽の政府サイトやそっくりなドメイン、SNS広告を用いて個人情報と支払いを誘導します。
- 存在しない求人や、LMIAが無いのに就労ビザが取れるとする求人あっせんを行います。
- 入学許可や就学ビザを保証するとして、不適正な学校紹介や書類の改ざんを持ちかけます。
- 家族スポンサー申請で不正な関係証明や虚偽の書類作成を示唆します。
正規の情報源と確認方法
- 申請条件、手数料、処理期間は移民・難民・市民権省（IRCC）の公式情報で確認します。第三者の約束より公式情報を優先します。
- 有料で助言・代理を行う者は、カナダの認可弁護士、ケベック州ノタリー、またはCICC登録の移民コンサルタント（RCIC）に限られます。登録番号と氏名で検索して確認します。
- 就労申請は、求人票やオファー番号、必要に応じてLMIAの有無を雇用主と公式情報で照合します。
- 留学はDLI（指定教育機関）かどうか、プログラムの在籍要件や学費の支払い方法を学校の公式サイトで確認します。
- 契約は書面で受け取り、業務範囲、料金、返金条件、キャンセル方法を記載してもらいます。レシートや領収書は必ず保管します。
危険サインの見分け方
- 現金のみの支払い要求、相場とかけ離れた高額報酬、成果保証をうたう宣伝があります。
- 未完成の書類への署名要求、空欄が多い委任状、原本パスポートの長期預かりを求められます。
- 政府ロゴや「.gc.ca」に似せたURLを使う偽サイト、連絡先がフリーメールのみの案内があります。
- 「今だけ」「今日中」の決断を迫り、比較検討や家族相談を妨げます。
日本人向けの注意点
- SNSや日本語掲示板の「先着限定・すぐ取れるビザ」勧誘は疑い、英語版の公式情報にも必ずあたります。
- 観光からの切替で就労・就学が必ず可能とする売り文句は避けます。要件と手順はケースごとに異なります。
- ワーホリ枠の代行抽選や当選保証は存在しません。応募は各自で行えます。
- 家族スポンサーや同棲証明の作成代行で、虚偽の証拠提出を提案する業者には関与しません。
専門家に依頼する際のチェック
- 氏名、登録番号、所属団体、連絡先の実在性を公式レジストリで確認します。
- 手続の説明、想定スケジュール、成功・不許可のリスク、あなたの役割分担を明確化します。
- 署名前に契約書を読み、質問に対する説明が一貫しているかを確認します。
疑い・被害時の対応
- 支払い・やり取りをいったん停止し、メール、メッセージ、請求書、領収書、契約書、送金記録を保全します。
- 詐欺の可能性がある場合は、現地警察やCanadian Anti-Fraud Centreに通報します。
- 移民関連の不審情報はIRCCの不正報告窓口から報告します。登録コンサルタントや弁護士に関する苦情は各規制機関へ提出します。
参考サイト
IRCC（移民・難民・市民権省）公式情報
https:\/\/www.canada.ca\/en\/immigration-refugees-citizenship.html<\/a><\/p>
CICC（カナダ移民コンサルタント規制機関）登録検索
https:\/\/college-ic.ca\/<\/a><\/p>
Canadian Anti-Fraud Centre（詐欺通報）
https:\/\/www.antifraudcentre-centreantifraude.ca\/<\/a><\/p>
Immigration, Refugees and Citizenship Canada
Strengthening immigration and stopping fraud（英語）
