概要
統計局の新しい報告(2025年12月11日公表)では、非永住者(有効な就労許可や就学許可を持つ人、または2021年12月31日時点で難民申請中の人)がカナダの持ち家市場に占める存在感はごく小さいと示されています。分析はカナダ住宅統計プログラム(CHSP)の2022年データに基づき、ニューファンドランド・ラブラドール、サスカチュワン、ケベックを除く各州を対象とし、準州は標本が小さいため公表対象外でした。
非永住者が占める持ち家の割合
2022年初め時点で、カナダ全体の持ち家所有者のうち非永住者は1%未満でした。州ごとの差はあるものの、分析対象のすべての州で0.5%を大きく下回りました。割合が高い州はプリンスエドワードアイランド(PEI)、低い州はアルバータでした。非永住者による持ち家は、各州の最大都市(例:PEIのシャーロットタウン、アルバータのカルガリー)に集中する傾向がありました。
| 州 | 非永住者が占める持ち家割合 |
|---|---|
| プリンスエドワードアイランド | 0.39% |
| マニトバ | 0.25% |
| ノバスコシア | 0.17% |
| ブリティッシュコロンビア | 0.13% |
| オンタリオ | 0.13% |
| ニューブランズウィック | 0.10% |
| アルバータ | 0.10% |
非永住者自身の持ち家率
非永住者の中で自宅を所有している人の割合も非常に低い結果でした。例として、オンタリオの非永住者の持ち家率は1.64%、ブリティッシュコロンビアは1.41%でした。比較として、同時期のオンタリオでは、直近5年以内に永住権を得た人の持ち家率は40.3%、カナダ生まれの人は47.8%でした。短期滞在者と他の層との間で住宅取得の差がはっきり表れています。
購入が少ない主な理由
一時的な在留資格は長期の住宅ローンなどに踏み切りにくく、持ち家取得を抑える要因になりやすいです。さらに、以下の条件が重なります。
- 多くの留学生は就労時間に上限があり、収入や雇用の安定性が限られやすいです。
- カナダでの就労歴や信用履歴が短く、住宅ローンの審査で不利になりやすいです。
- 非永住者は平均年齢が若く、頭金の貯蓄期間が短くなりがちです。
補足情報
各州で、持ち家に占める非永住者の割合は、その州の人口に占める非永住者の割合より低い水準でした。全体として、非永住者の持ち家市場への影響は限定的でした。
参考サイト
Canadian temporary work visa
https://www.canadavisa.com/canadian-temporary-work-visa.html
Canadian temporary study visa
https://www.canadavisa.com/canadian-temporary-study-visa.html
Refugee eligibility in Canada
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-refugee-eligibility.html
Residency obligations for permanent residents
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-residency-obligations.html
Canadian citizenship, immigration and settlement
https://www.canadavisa.com/canadian-citizenship-immigration-and-settlement-in-canada.html
Working in Canada
https://www.canadavisa.com/working-in-canada.html
Working while studying in Canada
https://www.cicnews.com/2025/09/working-while-studying-canada-a-guide-for-international-students-0959654.html
CIC News
Non-permanent residents and homeownership in Canada: What new StatCan data shows(英語)