家族のルーツをたどり、カナダの祖先に関する公的記録を取り寄せたところ、書類が英語でもフランス語でもないことがあります。その場合も、書類は市民権の証明申請に使えます。申請時には、書類のほかに全文の翻訳と、翻訳者が内容の正確さを宣誓する書類を提出します。
ただし、カナダで認定された翻訳者が翻訳した場合は、翻訳者の宣誓書は不要です。書類の確認方法や、翻訳者の選び方、申請で注意したい点を紹介します。
まず、必要な書類が届いているか確認します
カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)は、家系をたどる各世代について、発行元が確認できる、信頼性のある正式な書類を求めています。発行元は、国の戸籍機関、州の出生・死亡記録機関、公文書館などです。
外国の記録機関が、希望した種類の書類を送るとは限りません。たとえば、出生記録の完全版を請求したのに、簡易版が届くことがあります。翻訳を依頼する前に、スマートフォンの翻訳機能や無料のオンライン翻訳を使い、書類が出生、洗礼、結婚、死亡のどの記録なのか、氏名や日付が家族の情報と合っているかを大まかに確認できます。
英語・フランス語以外の書類に必要なもの
英語またはフランス語以外で書かれた書類には、次の3点をそろえて提出します。
- 書類の鮮明なカラーコピー
- 英語またはフランス語への全文翻訳
- 翻訳者が作成した宣誓書
例外として、カナダの州または準州の翻訳者・通訳者団体に正式に登録されている認定翻訳者が翻訳した場合、宣誓書は必要ありません。
カナダで認定翻訳者を探す方法
市民権証明書の申請でカナダの認定翻訳者を利用すると、翻訳者の宣誓書や、それに関する公証の手続きを省けるのが一般的です。
認定制度はカナダ全体で一つに統一されているのではなく、州ごとに運営されています。多くの州の団体は、カナダ翻訳者・用語専門家・通訳者評議会(CTTIC)に加盟しています。ケベック州では、OTTIAQが独自の認定制度を設けています。
- オンタリオ州:オンタリオ州翻訳者・通訳者協会(ATIO)
- ケベック州:ケベック州公認翻訳者・用語専門家・通訳者協会(OTTIAQ)
- ブリティッシュ・コロンビア州:ブリティッシュ・コロンビア州翻訳者・通訳者協会(STIBC)
- アルバータ州:アルバータ州翻訳者・通訳者協会(ATIA)
- マニトバ州:マニトバ州翻訳者・用語専門家・通訳者協会(ATIM)
- サスカチュワン州:サスカチュワン州翻訳者・通訳者協会(ATIS)
- ノバスコシア州:ノバスコシア州翻訳者・通訳者協会(ATINS)
- ニューブランズウィック州:ニューブランズウィック州翻訳者・用語専門家・通訳者協会(CTINB)
各団体のウェブサイトには、認定翻訳者の名簿や検索機能があります。候補者や準会員も名簿に載っている場合があるため、単なる会員や認定候補者ではなく、現在、認定翻訳者として登録されていることを確認してください。検索機能では、対応する言語や専門分野を指定できる場合があります。
本人や親族は翻訳できません
IRCCは、申請者の親、後見人、きょうだい、配偶者、内縁または事実婚のパートナー、祖父母、子ども、おじ・おば、おい・めい、いとこを翻訳者として認めていません。
家族の中で対象言語が分かる人が、おばなどの親族であることはよくあります。しかし、どれほど流ちょうに話せても、翻訳の資格を持っていても、対象となる親族が翻訳した書類は受理されません。
複数の家族の申請書を一つの封筒で送る場合、申請のうち一つでも不備があると、すべて返送されます。家族分をまとめて申請するか、一人ずつ申請するかを決める際は、この点も考慮してください。こうした記録の翻訳経験がある人に依頼することが大切です。
翻訳者の宣誓書について
カナダの認定翻訳者を利用しない場合は、翻訳をした人の宣誓書を提出します。宣誓書は、翻訳者が二つの言語に通じており、翻訳が原文に忠実で正確であると述べる短い書類です。翻訳者は、宣誓を受ける法的権限を持つ人の前で署名します。これにより、単なる自己申告ではなく、翻訳の正確さについて責任を負う宣誓になります。
カナダ国内:公証人、宣誓管理官、または宣誓供述書の作成を受け付ける権限を持つ人の前で宣誓します。対応できる人の種類は、州や準州によって異なります。
カナダ国外:公証人の前で宣誓します。宣誓を受ける権限を持つ人は国によって異なります。
アメリカでは、公証人は連邦政府ではなく各州から任命されます。公証人は広く利用されており、料金も比較的安いことが多いです。次の場所で依頼できるか確認できます。
- 銀行や信用組合。口座の利用者には無料で対応する場合があります。
- 配送業者や私書箱を扱う店舗。営業時間中に公証人がいる店舗があります。
- 公共図書館や郡の書記官事務所。無料または少額で利用できる場合があります。
- 法律事務所や不動産登記関連の会社。
- 州務長官のウェブサイト。公証人を検索できる場合があります。
フランス語の書類は翻訳不要です
カナダの公用語は英語とフランス語です。そのため、フランス語で作成された書類は翻訳せずに提出できます。
ケベック州、沿海州のアカディア人コミュニティ、フランス、ベルギー、ハイチ、西アフリカの一部地域の記録は、フランス語で発行されることがあります。その場合は、そのまま申請書類に加えられます。
書類が申請に使えるか分からない場合や、説明書、記録が見つからなかったことを示す書類も必要か迷う場合は、移民法を扱う弁護士に相談すると、追加の案内を受けられることがあります。
この記事は一般的な情報を提供するものであり、法律上の助言ではありません。
参考サイト
カナダの血統による市民権に関する変更
https://www.cicnews.com/2026/06/canada-just-changed-what-counts-as-proof-of-citizenship-by-descent-0676950.html
市民権を証明するために使われる書類の種類
https://www.cicnews.com/2026/04/seven-types-of-documents-americans-are-using-to-prove-their-canadian-citizenship-by-descent-0473846.html
家族でまとめて申請する場合と個別に申請する場合
https://www.cicnews.com/2026/08/canadian-citizenship-by-descent-as-a-family-submit-together-or-individually-0879521.html
記録が見つからなかったことを示す書類について
https://www.cicnews.com/2026/09/what-is-a-no-record-letter-for-a-canadian-citizenship-by-descent-application-0980796.html
CIC News
What to do if a crucial Canadian citizenship by descent document isn’t in English or French(英語)