概要
2026年1月1日から、公立校で学ぶ修士・博士課程の留学生は就学許可(スタディパーミット)の発給数上限の対象外になります。これにより、申請時に州・準州発行のアテステーションレター(PAL/TAL)は不要になります。あわせて、移民・難民・市民権カナダ(IRCC)は博士課程の学生と帯同家族の申請を最短2週間で処理する新しい優先審査を開始しました。
何が免除され、どう変わるか
修士・博士課程の申請は就学許可の上限枠から外れるため、IRCCの処理数の制限に左右されません。上限到達後の申請で不利になる心配が減り、需要が続けば大学院レベルで学べる人が増える見込みです。
PAL/TALの取得が不要になることで、出願前に指定教育機関(DLI)へ入学意思確認のための預り金を求められる負担が減る場合があります。結果として、就学許可を得るまでの実質的な前払い費用が下がります。
博士課程向けの優先審査(最短2週間)
優先審査は告知時点で有効です。対象となるには、次の条件を満たす必要があります。
- 博士課程に在籍していること
- カナダ国外から就学許可を申請すること
- オンラインで申請を提出すること
帯同する家族も、次の条件を満たせば優先審査の対象になります。
- 観光ビザ、就労許可、または就学許可のいずれかを申請すること
- 博士課程の申請者(主申請者)の就学許可申請に同封されていること
- 主申請者と同時にオンラインで申請すること
IRCCが定める「家族」の範囲は以下のとおりです。
- 配偶者または事実婚のパートナー
- 扶養子(申請者本人、配偶者、事実婚パートナーの子を含みます)
- 扶養子の扶養子
変わらない就学許可の必要書類
PAL/TALは免除されますが、大学院生でも多くの基本書類は必要です。状況に関わらず常に必要な書類、提出を強くすすめる書類、状況により必要な書類に分けて整理します。
常に必要
- 入学許可書(LOA)
- 例外:カナダ入国前に、家族が就学許可または就労許可の承認レターを受けている場合は、LOAが不要になることがあります。
- 身分証明
- パスポート(情報ページをアップロード。承認後は原本提出)
- 最近の写真2枚(裏面に氏名と生年月日)
- 米国市民は別の身分証で認められる場合があります
- 米国の永住者は有効なグリーンカードと有効な旅券等で渡航します
- 資金証明(本人と同行家族の分をカバー)
提出をおすすめ
- 説明レター(なぜカナダで学ぶのか、留学生としての責任を理解していることの説明)
必要か要確認
- 健康診断
- 6か月を超えて滞在する場合
- 直近で特定の国・地域に滞在していた場合
- 公共の安全を守る必要がある職種で働く予定がある場合
- 無犯罪証明(必要な場合は早めに取得を開始)
- 未成年のケアの証明(カナダでの未成年の保護者手配)
- 17歳未満で親・保護者と同伴しない子はカストディアンが必要で、所定の書類が求められます
- 国・ビザオフィス特有の書類
- 居住国のビザオフィスの指示に従います(手順の目安:申請方法 → カナダ国外 → オンライン申請 → 国・地域を選択)
- 自国以外から申請する場合は、その国での在留資格の証明が求められることがあります
- 旅券発行国が再入国許可を必要とする場合は、申請前に取得します。ほかの追加書類が必要な場合もあります
参考サイト
PAL/TALについて
https://www.canadavisa.com/canadian-provincial-attestation-letters.html
指定教育機関(DLI)一覧
https://www.canadavisa.com/designated-learning-institution-list.html
入学許可書(LOA)の案内
https://www.canadavisa.com/letter-of-acceptance-to-a-canadian-designated-learning-institution.html
健康診断の案内
https://www.canadavisa.com/visiting-canada-find-out-if-you-need-a-medical-exam.html
無犯罪証明の案内
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-police-clearance.html
CIC News
IRCC exempts graduate students from study permit cap, offers two-week application processing for doctoral students(英語)