この記事でわかること
- スコアのカットオフ未満でもITAが届く仕組みです。
- 60日以内に職歴が節目を迎える人が取るべき提出手順と注意点です。
なぜスコア未満でもITAが届くのか
エクスプレス・エントリーは通常、抽選時点のCRSスコアで招待しますが、職歴ポイントは「1年/2年/3年…」という段階で集計されます。プロフィールに入力した開始・終了の「月」を基準に読むことが多く、日付ではなく月単位で加点が反映されることがあります。
そのため、抽選のあと60日以内に次の職歴の段階(例:1年→2年、2年→3年)に到達する見込みがある場合、実際の到達日より先にITAが届くことがあります。これはカナダ国内の職歴でも海外職歴でも起こり得ます。
この状況でITAを安全に使う手順
ステップ1:新しい職歴段階に達する正確な日付を確定します
抽選やスコアは月単位で扱われることがありますが、申請段階では到達「日」を厳密に計算する必要があります。日付を誤ると、提出後に整合性が取れず不利になります。
ステップ2:60日以内に到達できるかを確認し、到達後に提出します
60日以内に職歴の節目に達する場合は、達した日「以降」に完全なPR申請を提出します。期限ぎりぎりの提出でも、内容が正確で完全であれば問題ありません。
ステップ3:証明書類がそろってから提出します
在職証明などの証拠は、主張する職歴の期間と一致している必要があります。到達日前の提出で、書類上の期間が足りないと判断されると、不許可のリスクがあります。
早く出しすぎると不許可になる理由
審査官は次の2点を再確認します。
- エクスプレス・エントリーの各プログラムの最低条件を満たしているかどうかです。
- 招待が出た抽選の最低スコアに対して、申請時点でもそのCRSスコアを保てているかどうかです。
スコアが正式に上がる前に提出すると、審査でスコア不足と判断されるおそれがあります。結果として要件不充足で不許可になる可能性があります。
実例1:カナダでの職歴が1年→2年
28歳・単身。修士号、ECAあり。英語はCLB10が4技能すべてです。2024年4月1日にNOC TEER 1のフルタイムで就業開始。抽選日が2026年2月20日の場合、正式な2年到達日は2026年4月1日で、60日以内に到達します。海外での熟練職歴は2年あります。
早めにITAが届く理由:システム上は「2024年4月~2026年4月」の範囲を月単位で読み、抽選時点で2年相当と解釈される場合があるためです。ただし実際の提出は2026年4月1日以降に行い、2年を証明できる書類と整合させます。
到達前のCRS内訳(抽選日の実スコア)
A)基礎要素(コア・ヒューマンキャピタル)
- 年齢(28):110
- 学歴(修士):135
- 第一言語(CLB10×4):136
- カナダ職歴(1年):40
小計:421
B)スキル移転要素
- 学歴+言語(修士+CLB9以上):50
- 海外職歴+言語(2年+CLB9以上):25
- 海外職歴+カナダ職歴(2年海外+1年カナダ):13
スキル移転小計:50+(25+13)=88
合計(到達前):509
到達後のCRS内訳(カナダ職歴2年に到達後)
A)基礎要素
- カナダ職歴(2年):53(40→53)
基礎小計:110+135+136+53=434
B)スキル移転要素
- 海外職歴+カナダ職歴(2年海外+2年以上カナダ):25(13→25)
スキル移転小計:学歴50+海外職歴系50=100
合計(到達後):434+100=534
変化:+25(509→534)
実例2:海外職歴が2年→3年
27歳・単身。修士号、ECAあり。英語はCLB10が4技能すべてです。カナダの熟練職歴は1年(現時点で40点)。海外の熟練職歴は2023年3月15日開始で、2026年2月6日の抽選時は約2年10か月です。正式な3年到達日は2026年3月15日で、60日以内に到達します。
追加点として、カナダ在住の兄弟姉妹で15点、カナダの3年以上の学歴で30点、合計45点が加わります。早めにITAが届く理由は、月単位の読み替えで到達前に3年以上の枠に見える可能性があるためです。提出は2026年3月16日以降に行い、3年の証拠と一致させます。
到達前のCRS内訳
A)基礎要素
- 年齢(27):110
- 学歴(修士):135
- 第一言語(CLB10×4):136
- カナダ職歴:40
小計:421
B)スキル移転要素
- 学歴+言語(修士+CLB9以上):50
- 海外職歴+言語(1~2年+CLB9以上):25
- 海外職歴+カナダ職歴:13
スキル移転小計:88
C)追加点
- カナダ学歴(3年以上):30
- カナダ在住の兄弟姉妹:15
追加点小計:45
合計(到達前):421+88+45=554
到達後のCRS内訳(海外職歴3年以上に到達後)
変わるのは海外職歴に関する移転要素のみです。
- 海外職歴+言語(3年以上+CLB9以上):50(25→50)
- 海外職歴+カナダ職歴(3年以上+カナダ1年):25(上限50に到達)
スキル移転小計:学歴50+海外職歴系50=100
合計(到達後):421+100+45=566
変化:+25(554→566)
これらのケースでは、到達日の特定、60日以内の提出時期の見極め、書類の整合性の3点が合否を左右します。節目の効果は大きいですが、到達前の提出で簡単に失われます。
参考サイト
エクスプレス・エントリー(概要)
https://www.canadavisa.com/express-entry.html
CRS(総合ランキングシステム)
https://www.canadavisa.com/express-entry-comprehensive-ranking-system.html
ITA(招待状)とは
https://www.canadavisa.com/express-entry-invitation-to-apply-for-permanent-residence.html
IRCC(移民・難民・市民権カナダ)
https://www.canadavisa.com/ircc.html
ECA(学歴評価)
https://www.canadavisa.com/educational-credential-assessment.html
CLB(カナダ言語基準)
https://www.canadavisa.com/canadian-language-benchmark-clb-descriptions.html
PR(永住権)申請の基本
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-residency-obligations.html
CIC News
Express Entry: Candidates in this situation can receive an ITA before their score goes up(英語)