概要
移民・難民・市民権カナダ(IRCC)が、移民大臣レナ・ディアブ氏の承認により、権限委任の仕組みと組織体制を大きく見直しました。新しい「指定・委任文書(IDD)」は2025年12月15日に発効し、2026年1月16日に最新版が公開されました。これにより職員への権限の配り方や地域区分、難民関連部門の構成などが変更されています。
主な変更点
- さまざまな職位に対する権限の配分を拡大しました。
- 地理的な管轄を9区分から5区分に再編しました。
- 難民関連部門を「庇護(アサイラム)」と「再定住」に分けて、業務を分担しました。
そのほか、小さな変更も多数あります。たとえば、移民業務・人道および身元業務の各部門で、PM-05相当の職員に新たに「マネージャー(Manager)」という指定を導入しました。さらに、Integrity Risk ManagementはMigration Integrity Operationsへ名称変更し、海外の職員の呼称も「Immigration Officer」から「Migration Officer」に改めました。
IDDの位置づけと権限数
IDDは、移民大臣が自らの権限を職員や他機関の職員に委任するための法的文書です。対象にはIRCCのほか、カナダ国境サービス庁(CBSA)やカナダ騎馬警察(RCMP)の職員も含まれます。最新版では189の権限が職員に委任され、15の権限は大臣が保持します。今回の文書は、マーク・ミラー氏が大臣だった2025年3月11日版を置き換えるものです。
権限の配分:新セクターと業務範囲
新しいIDDでは、定住・再定住オペレーションの各役職に追加の権限が広く与えられました。あわせて新たに「サービス提供セクター」が設けられ、このセクターの職員は、入国審査、医療上の受け入れ可否の判断、就労許可、就学許可、永住権申請の審査・決定などを担います。
また、再定住オペレーションには、ケベック州に移住を希望する申請者がケベック選抜証明書(CSQ)を持たない場合に、永住者ビザの発給を不許可とする権限が明確に与えられました。IRCCは、この明確化によって処理の流れが速くなると見込んでいます。
地域再編(5地域体制)
IRCCの地理的な管轄は次の5つに再編されました。
- アメリカ大陸・カリブ海
- 欧州・マグレブ・多国間関係
- 中東
- サハラ以南アフリカ
- インド太平洋
以前は、北欧、東南アジア・オセアニア、北アジア、南アジア、アメリカ合衆国などを含む9地域に分かれていましたが、これを統合しました。
難民・庇護の体制変更
従来の「庇護・難民再定住」部門は、「庇護部門」と「再定住・家族・人道部門」の2本立てに再編されました。新しい権限配分では、難民申請の審査権限を役職のレベルに応じて分けています。具体的には、下位レベルの職員が適格性の確認を担当し、不適格の判断は上位レベルの職員が行います。
人員削減の流れとの関係
今回の見直しは、IRCC内の人員削減の発表や、マーク・カーニー氏率いる自由党政権が連邦公務員全体で大幅な人員削減を目標としている状況の中で進められました。組織構造とサービス提供の再設計により、業務の効率化と権限行使の一貫性向上を狙っています。
参考サイト
Work permits(就労許可)
https://www.canadavisa.com/canadian-temporary-work-visa.html
Study permits(就学許可)
https://www.canadavisa.com/canadian-temporary-study-visa.html
Permanent residence(永住権)
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-visas.html
Quebec Selection Certificate(CSQ)
https://www.canadavisa.com/quebec-immigration-quebec-selection-certificate.html
Refugee claim eligibility(難民申請の適格性)
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-refugee-eligibility.html
CIC News
Canada restructures delegation of authority to immigration officers(英語)