フランス語NCLC7がもたらす移民の利点
フランス語でNCLC7にそろえて到達すると、Express Entryの選考で有利になります。セカンド言語でNCLC7に達すると、CRSに最大62点が加点され、フランス語カテゴリーの抽選対象にもなります。NCLC7に達し、英語が4技能すべてCLB5に届いている場合は、CRSの「追加要素」で最大50点を得られます。配偶者なしの場合は、「人的資本(第2言語)」で最大12点も加点されます。
カテゴリー別選考の「フランス語能力」抽選は、他の抽選よりカットオフが低い傾向があります。下の表は今年の実績です。
| 抽選タイプ | CRSカットオフの範囲 | 実施回数 |
|---|---|---|
| フランス語能力 | 379~481 | 7 |
| カナディアン・エクスペリエンス・クラス | 518~547 | 11 |
| 医療・ソーシャルサービス | 470~510 | 5 |
| 教育 | 462~479 | 2 |
| 技能職(トレード) | 505 | 1 |
フランス語が強い人を重視する一部のPNP(州推薦)でも有利になります。連邦政府はケベック州外でのフランス語話者の永住者を、2025年8.5%から2026年9%、2027年9.5%、2028年10.5%へと増やす方針です。
NCLC5から7へ上げる学習のコツ
毎日しっかり学習する:1~2時間を目安に、読む・聞く・書く・話すをバランスよく練習します。苦手分野がある場合は、その技能に時間を多めに配分します。教材で型を確認したあと、短い会話やライティングで実践する流れが効果的です。
短期集中のイマージョンに参加する:NCLC5から7へは「中級の壁」を越える必要があります。フランス語だけで過ごす合宿やプログラムで、数週間から数か月、会話し続けると、自動的に口が動く力がつきます。
フランス語環境で働く・ボランティアする:職場やボランティアでは、説明、調整、問題解決、会議など、実用の目的がはっきりしています。実務で語彙と文法が一気に広がり、場面に合う言い回しが身につきます。
有資格のチューターやコーチに学ぶ:発音・文法・語順・言い回しをその場で直してもらえる個別指導は、NCLC5から7への近道になります。模擬試験や課題型の練習で、弱点技能にしぼったトレーニングができます。
移民用テストに合わせて対策する:TEF CanadaやTCF Canadaの公式サンプルで、設問形式と時間配分に慣れます。リスニングの時間制限、意見文の書き方、スピーキングの即答など、形式に沿って練習すると、速度と正確さと自信が上がります。IRCCが認める能力に直結する学習になります。
フランス語メディアに日常的に触れる:ニュース、トーク、時事番組などで自然な語順、リズム、つなぎ表現に慣れます。主張の立て方や裏づけの示し方をまねると、読解と表現の両方が伸びます。
リバース翻訳をする:短いフランス語文を英語に訳し、その英語から元の文を見ずにフランス語へ戻します。比べてずれた語彙・構文・ニュアンスを確認すると、語順と定型表現の精度が上がります。直訳ではなくフランス語で考える習慣がつきます。
オペアで暮らしの中で話す:フランス語圏の家庭に住み込みで参加すると、毎日、子どもや大人とやり取りが続きます。予定管理や外出の付きそいなど、生活ベースの会話で、聞き取りの正確さと、とっさの発話が鍛えられます。
NCLC7のレベル感と試験形式
言語レベルは3段階です。
- 第1段階:初級
- 第2段階:中級
- 第3段階:上級
NCLC7は第2段階の中で「十分に使える中級」にあたります。4技能での目安と、認定テストの形式は次のとおりです。
| 技能 | できることの目安 | テスト形式 |
|---|---|---|
| 読む | 目的・要点・重要情報・一部の含意をつかめます。説明文や意見文を理解できます。具体語から抽象語、専門語や慣用まで幅広く対応します。むずかしい語は単語辞書に頼ることがあります。 | TCF Canada:多肢選択39問(60分)/TEF Canada:多肢選択40問(60分)。文章を読み、具体的な内容から抽象的な内容まで理解します。どちらもコンピューター方式です。 |
| 書く | 段落がつながった、まとまりのある文章を書けます。主張と根拠をはっきり示し、語彙もある程度多様です。母語の型にひっぱられることがあります。 | TCF Canada:3課題(60分)/TEF Canada:2セクション(計60分、A25分・B35分)。情報説明、記事の続き、意見の正当化などを書きます。どちらもコンピューター方式です。 |
| 話す | 学校・職場・日常の場面で、状況に合わせて丁寧さや言い方を調整できます。なじみのある話題を中心に、具体と一部の抽象も整理して話せます。実用表現とイディオムをまじえた語彙が増えます。 | TCF Canada:3課題(12分)/TEF Canada:2セクション(計15分、A5分・B10分)。情報取得、意見表明、初対面の試験官との会話など。どちらも試験官との1対1です。 |
| 聞く | 日常と職場の中程度の会話を追えます。一般知識や実体験にもとづく抽象的な話題も理解できます。語調・スタイル・言い回し・含意を聞き分けます。電話や早口の多人数会話は苦戦することがあります。 | TCF Canada:多肢選択39問(35分)/TEF Canada:多肢選択40問(40分)。日常表現、案内情報、事実ベースの音声を聞いて答えます。どちらもコンピューター方式です。 |
NCLC5~6との違い
- よくある表現や複雑な文の理解が限定されます。
- むずかしい語や速い会話では、視覚資料や二言語辞書の助けが必要になりやすいです。
- 発話でためらいが出て、文法ミスが残りやすいです。
- はっきりした、ゆっくり~普通の速さでの話し方を求めがちです。
参考サイト
Express Entry全ストリームの適格性チェック
https://canadavisaplus.com/assessment?utm_source=cicnews.com&utm_medium=article&utm_campaign=2025-11-13_strategies-for-improving-your-french-language-skills-getting-from-an-nclc-5-to-nclc-7_61265
永住(PR)の基礎情報と在住義務
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-residency-obligations.html
CRS(総合ランキングシステム)
https://www.canadavisa.com/express-entry-comprehensive-ranking-system.html
Express Entry全体像
https://www.canadavisa.com/express-entry.html
カテゴリー別選考の概要
https://www.canadavisa.com/eecategories.html
ITA(永住申請招待)とは
https://www.canadavisa.com/express-entry-invitation-to-apply-for-permanent-residence.html
他の抽選の結果一覧
https://www.canadavisa.com/express-entry-invitations-to-apply-issued.html
カナディアン・エクスペリエンス・クラス(CEC)
https://www.canadavisa.com/canadian-experience-class.html
CLB(カナダ言語ベンチマーク)の説明
https://www.canadavisa.com/canadian-language-benchmark-clb-descriptions.html
カナダ移住の全体ガイド
https://www.canadavisa.com/canadian-immigration-visas.html
PNP(州推薦プログラム)
https://www.canadavisa.com/provincial-nomination-program.html
ケベックの技術系移民
https://www.canadavisa.com/quebec-skilled-immigration.html
言語テストの概要ページ
https://www.canadavisa.com/language.html
IRCC関連情報のまとめ
https://www.canadavisa.com/ircc.html
TEF Canada(フランス語評価テスト)
https://tefcanada.ca/?srsltid=AfmBOoq2m9cWT7jDNQz3Xe2CVoT5NR8mF8JQl2YxXGosyeYoScs6Sa2E
TCF Canada(フランス語能力テスト)
https://www.france-education-international.fr/en/test/tcf-canada?langue=en
CIC News
Strategies for improving your French language skills: Getting from an NCLC 5 to NCLC 7(英語)